「満潮と干潮が交互に来たような感じで、短時間のうちに水位が上下した」
午後3時49分に1・2メートルの津波を観測した岩手県久慈市の久慈港。市漁協の男性職員(49)は津波が押し寄せてきた状況を興奮気味に語った。
漁協には朝から20人以上が詰め掛け、所属する漁船は津波に備えて沖合に避難した。職員は「船とは無線で連絡を取ったが、被害がないようでよかった」とほっとした表情を浮かべた。
一方、宮城県気仙沼市の気仙沼漁港では午後4時ごろ、津波が岸壁を乗り越え、同市魚市場の一部が冠水した。同魚市場管理事務所によると、市場の向かいの道路まで約40メートル海水が押し寄せ、40代の男性職員は「みるみるうちに潮位が上がり、一気に波が押し寄せた。初めて見る光景だった」と話した。
大津波警報は28日夜、津波警報に切り替わり、津波への警戒は弱まった。ただ、避難した人の中には、50年前の“苦い記憶”を口にする人もいた。
40センチの津波を観測した岩手県大船渡市。家族と大船渡小学校体育館に避難してきた清水一造さん(88)は、昭和35年に太平洋岸を襲い、死者・行方不明者142人を出したチリ地震津波を経験していた。
「当時、営んでいた旅館で宿泊客を避難させようと2階の天井板を引きはがして屋根の上に出たが、家ごと流された。近くの家に引っかかる形で止まり、九死に一生を得たが、やはり津波は怖い」。半世紀を経ての津波への恐怖に声を落とした。
岩手県や宮城県の湾内では、津波で名産のカキやホタテの養殖イカダのロープが切れるなど、漁業被害が出始めた。
宮城県の気仙沼市災害対策本部によると、収穫期のワカメやコンブのイカダ3基が漂流。岩手県山田町では、湾内のカキ養殖イカダを固定するロープが多数切れた。
同町大沢でカキなどを養殖する佐々木俊之さん(53)は「高台から見ると、整然と並んでいたはずのイカダが流されてばらばらになった」と表情を曇らせた。
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